職場を去る人でも、栄転あり、左遷あり、転職あり、幸せいっぱいの結婚退職や出産退職あり、身から出た錆の懲戒免職ありで、それに応じてさよならパーティーも各様である。中でもとくに慎重な段取りで運ばなければならないのが定年退職者のさよならパーティーだ。

案内状を配る前に根まわしを

「退職金を出した上に、さよならパーティーの費用までは出せません」というのが企業だ。退職民が所属するセクションだけのこぢんまりとしたものなら、別途名目で社費の流用も考えられるが、さよならパーティーは広く職場内の知己が集まるに越したことはない。職場内の常識、先例の範囲内でさよならパーティーをひらくなら、幹事は比較的ラクだ。が、より盛大なものにしようとすると、職場内の摩擦を処理しなければならない。

あなたは退職者に目をかけてもらった、退職者を尊敬している、だからなるべく盛大なさよならパーティーをしてあげたいと思っている。しかし、退職者は現在どんな役職にいるのか。あなたはどんな地位にいるのか。あなたが盛大なさよならパーティーをと気負っても、上司同僚はじめほかの人々はどう思っているのか。「ムム君ごときにそんなさよならパーティーをするなんて」と、かならずしも焼き餅半分でなく、苦々しく思う人はきっといる。それをどうするか。

この場合、幹事の最初の仕事は、退職者とも相談しながら、一方では日時、会場、人数、会費などの目安をつけ、一方では社内の個人個人に当ってよく根まわしをしておくことである。その結果、案内状の文面が、「先般皆様におはかり致しましたOO次長さよならパーティー開催の件、お陰様で全員のご賛同を頂けることになりました。心よりお礼申し上げます。つきましては下記の通りご案内申し上げますので宜しくお願い申し上げます。云々…」

になり、名目上の世話人代表として退職者の上司の名前を記すことができれば、成功と考えてよいだろう。名目上の発起人として呉越同舟沢山の名前を並べるのもよく見かける形式である。

先例の範囲内での送別会でも、幹事は独走してはならない。各人の意向や都合を聞きながら一応の根まわしは必要である。